不動産投資失敗談
競売でやっとこ競落したアパートは・・・
10年位前に社長の妹(私には叔母さん)から社長に電話が有り。
ご主人(私には叔父さん)が定年退職をするにあたり、減ってしまう収入を不動産投資で補いたいと相談をしてきたのよ。
社長達は葛飾区で生まれ育ち、親は(私にとってはじいちゃん・ばあちゃん)自宅の横に1K6部屋のアパートを建築して貸していたので不動産投資は身近なんだろう。
社長から呼ばれて叔母さんから1棟アパートを探して欲しいと頼まれたから、良いのが有ったら紹介してやってくれと言われた。が・・・時は不動産投資ブームで良い物件は右から左で流れていくし、私自身もまだ不動産業に就いて3年目、そんなに良い情報がすぐに入って来る状況では無かった。
すぐに物件紹介が出来なかった私に業を煮やした叔母さん達は自力で競売情報を入手して千葉の内房エリアに有る1棟アパートを競落したと連絡が。。。
叔父さんの退職金をぶち込んだらしい・・・
叔母さんが競落したアパート
・千葉県の内房エリア
・2DK×6部屋
・築25年
・最寄駅から徒歩15分の住宅地
・平均家賃68000円(1部屋)
・価格約3000万円
・満室想定利回り約16%
・当時3部屋空室
まだ当時は競売が安く買えたが利回り16%で価格的には完全に土地値。素直に凄いなと思ったのを覚えている。
ウチは管理業務はやってないので、後は自分達で出来るから大丈夫だと言われ特に何もする事無くこの件は終了した。
それから時は流れて2年前。
ばあちゃんが亡くなった(じいちゃんは私が中学生の時に亡くなってる)
葬儀も終わり親族で食事をしている時に叔母さんから相続の話が出たのよね。
前述しているが、ばあちゃん宅には自宅の他にアパートを建てて有るのでアパート自体は古くなり使い物に成らないが自宅とアパートの土地を合わせるとナカナカの相続金額に成る。
『兄さん、こんな時に申し訳ないんだけど・・・前に買ったアパート経営が上手くいってなくて、この人の(叔父さん)退職金もアパート購入で使っちゃったから正直に言うと生活苦しいのよ。相続の件で色々相談出来ないかな?』
聞くと、競売で落とした当時の管理会社に引き続き管理を委託していたらしいんだけど、その管理会社にキッチリと食い物にされている。
競落後、管理会社に挨拶に行ったら
『新しい大家さんね。あのアパートの周りに新しいアパート一杯有るでしょ。競争相手が多いから大変なんだよねぇ。家賃下げるかリフォームした方が良いんだけど、家賃下げるよりリフォームして物件自体の価値を上げる方が絶対いいね。もし売る時も高く売れるしさ、ウチが全部出来るから任せてよ。』
と、言われるままに外装と空き部屋のリフォームに1000万円以上掛かり、リフォームローンを組んで支払い中。しかし空き部屋が埋まる事も無く、逆に一部屋退去し一部屋は滞納。挙句の果てに唯一ちゃんと払ってくれていた部屋の住人が自分の部屋で自殺してしまい事故物件に。。。
踏んだり蹴ったりで、叔父さんと叔母さんが手出しでリフォームローンを払っているらしい。管理会社からは新たな入居者も居ないのに退去した部屋と事故部屋のリフォームを進められて、これ以上の費用負担は厳しいと断ると『ふ~ん。じゃぁ新しい入居者が入らなくても文句言わないでよ』と言われたらしく『リフォームした部屋から埋めて欲しい』と伝えると『事故物件だからねぇ。家賃下げようか』と。
その話を聞いて社長は
『俺はオフクロ(ばあちゃん)の遺産は放棄するから、お前が全部相続しろ。その代りアパートはすぐに誠(私)に売却させる。はっきり言って不良管理会社ごときも切れないお前達にアパート経営は無理だ!売却金でリフォームローンを完済して生活を立て直しなさい』
そんな訳で私が叔母さん達のアパート売却をすることに(詳細は次回、書こうかな)
売却価格も私が決めて良いとの事だったので私の投資家のお客さんに(以前の記事参照)3000万円で売却。事故物件が買値と同じ金額で売れた事に感謝されて無事終了。
ちなみに叔父さん叔母さんは今まで「誠」と呼び捨てだったのが、この件以降「誠君」と君付けで呼ぶようになったのだったwww